大隅の國やっちく松山藩秋の陣まつりは、毎年11月に前夜祭、本祭(第2日曜日)を行っています。
前夜祭ではかがり火が焚かれ幻想的な雰囲気となり、花火も打ち上げられるなど一味違った城下町を楽しめます。
メインとなる本祭は、奉納武者行列で幕を開け、藩主の「大盤振る舞いじゃー!」の雄叫びで別名『只(タダ)まつり』の無料の振る舞いが始まります。地元の若者が丹精込めて作った『野菜』、ここでしか食べられない『やっちくだんご』、ボリューム満点『サムライ鍋』など、是非一度ご賞味ください。
また、舞台のイベントはもちろん、子ども広場(忍者屋敷、やっちくサスケ、からくり迷路)も毎年充実しており行列ができる盛況ぶりです。
その他にも多種多様なイベントを用意しておりますので、詳しくは下記までお問い合わせ下さい。
奉納武者行列、野菜等大盤振舞い、舞台イベント多数
充実な子供広場(忍者屋敷、やっちくサスケ、からくり迷路)
秋の陣まつり実行委員会 電話:099-487-2111 FAX:099-487-2593
時代は平成に入り、全国各地にパロディ(遊び心)で地域振興をはかろうとするミニ独立国が立ち上がり、各地は村おこし戦国時代の様相を呈していた頃、松山町は若者たちの顔が見えない、決して活気があるとは言えないまちの現状でした。
しかし、数名の若者が、自分たちの町も「どげんかせんといかん!」と立ちあがり、町内各種団体の若者(やる気のある若者、何でもとことんまでやるバカ者、他地域のことに詳しいよそ者)へ呼びかけ、「松山町の未来を語る会」(別名、飲ん方合戦)を実施したところ、150名以上の若者が参加し、夜を徹した熱い討論が交わされました。そこに参加した若者たちからは、「松山という名前も場所も知らない県民が多い」「独自の発想で活動する場がない」「松山には遊び心がない」等出され、それぞれの思いが交差し、心が一つになったところで「むらおこし若者会」が発足しました。
村おこし若者会では、自分たちの力で手づくりの祭をしたいとの意見がだされ、文治4年(1188年)に松山城を築城した平重頼の末孫である現代の若者達が知恵と勇気を限りなく出し尽くし、地方の隆盛を再び呼び起こし、松山町に新たなる活力と冨を呼び起こしていこうという設定で、大隅の國やっちく松山藩の開藩とともに第1回「秋の陣まつり」を開催しました。
これまでは、町や農協が中心となって開いてきた産業祭を、若者達が中心となって見事に生まれ変わらせ、前年までは約2000名の来場者が、5倍の10000名の来場者で賑わいました。
「志」という文字は「士の心」と書きます。つまり、志とは武士の崇高な精神を意味するものと考えています。
大隅の國やっちく松山藩は平成元年に開藩し、「いざ出陣!新源地は大隅の國やっちく松山藩」をメインテーマに掲げ、ゆるぎない「武士道精神=やっちく魂」で地域づくりに取り組んできており、この精神が地域力となり、地域活性化の源となっています。
開藩当初から、常に持ち続けているのが「手づくり」へのこだわりです。地域に眠る歴史を活用し、若者が独自のアレンジをして祭で表現する。また、歴史にこだわり城下町風に統一された会場は、メインシンボルの松山城をはじめ、ほとんど若者達が毎年約一ヶ月間かけて製作し、組立も若者全員によるものです。
自分達で企画したものを自分たちの手で製作し、実現する。「手づくり」にこだわるかぎり、何か事を成そうとすればそれに適した「人」が必要である。様々な業種の様々な考えの「人」が集まり、それらの人材が発掘され、育成されています。
地域づくりの第1に「人づくり」を揚げ、様々な人材がお互いに知恵を出し、汗を出し合う事をその手法とし、「手づくり」にこだわる事によって実践し続けています。
やっちく松山藩の活動をするなかで培ったものが「おもてなしの心」です。どれだけ大規模になっても、人と人とのふれあいと、そこでの温かいもてなしの心だけはなくしたくない。「冷めたステーキよりも温かい握り飯」-このような地域づくりにこだわっています。
松山町に足を運んでくれた子供から高齢者など様々な人たちが、いかにすれば楽しんで、思い出をたくさんもって帰っていただくかを真剣に考え、討議し、実践しています。特に次代を担う子供達にとって、自分達の地域の歴史・文化を再認識させ、ふるさとに愛着と誇りを持たせる要因ともなっています。
また、スタッフとして関わった一人一人を大切にし、その協力の度合い関係なしに、それぞれが主役になるよう役割を与え、活動の底辺を広げています。現在では、中高生も多数ボランティアとして関わっています。
大隅の國やっちく松山藩の自由な発想や取り組みが20年以上も活かされてきた背景には、行政側も信念とこだわりをもって若者たちの取り組みを支えてきたところが大きく、その姿勢の一つが、行政は"お金は出すが口はださない"という姿勢です。町の地域活性化施策の中心に「やっちく松山藩」を据え、若者達に町の浮沈を委ねました。
ただし、まかせきりにするのではなく、行政職員は黒子に徹し、その活動を全面的に支援し、また、職員である前に地域住民であるという前提のもと、若者たちと共に、知恵を出し、汗を流し、やっちく松山藩と行政とが協働した地域づくりが行われてきました。
また、自身を新しい活力の源として、人材や力がうねりとなって周囲に影響を与え、共に活性化していこうという思いを込めた「いざ出陣!新源地は大隅の國やっちく松山藩」をメインテーマに掲げていますが、近年サブテーマとして「我らは古きと新しきに和をもたらせし者なり!」を掲げました。市町村合併を期に、その融和に一役買いたいという思いと、前の世代の思いや活動を引き継ぎ、それを次の世代へとつなげていきたいとやっちく流にアレンジし、という思いが込められています。
大隅の國やっちく松山藩では「遊び(パロディ)も続ければ文化になる、そして人々の心に歴史として刻み付けられる」という思いで、大隅の國やっちく松山藩の「やっちく魂」を次の世代に、そしてその次の世代に引き継いでいくよう努力していきたいと思います。